高血圧とお口の意外な関係！知られざるリスクとあなたを守るためのヒント

こんにちは。松山市の太山寺歯科医院院長の山田昌樹です。
初夏の日差しが心地よい季節となりました。

さて、毎年5月17日は世界高血圧デーです。
高血圧と聞くと真っ先に思い浮かぶのは
「食生活」や「運動不足」ですよね。

しかし、実はお口の健康とも
密接に関係していることをご存知でしょうか。

今回は、高血圧と歯科の意外な関係と、
あなたを守るためのヒントをご紹介します。

◆血圧の薬がもたらすお口の変化

高血圧はそれ自体がお口の環境に
影響を及ぼすことは少ないものの、
副作用として以下のような変化を
引き起こすことがあります。

・歯ぐきが腫れて歯が磨きにくくなる

アダラート、ノルバスクなどをはじめとした
高血圧治療でよく処方されるカルシウム拮抗薬は、
副作用で歯ぐきの腫れを引き起こすことがあります。

腫れが大きくなると歯ブラシが当てにくくなり
プラークが除去しづらいほか、
見た目の問題や発音のしづらさといった
生活の質にも影響が出る可能性があります。

・お口が渇いて汚れがたまりやすくなる

降圧剤の副作用では
「お口の渇き」も代表的です。
先にご紹介したカルシウム拮抗薬以外にも
フルイトランやラシックスなどの利尿薬も
副作用としてお口の渇きを
引き起こすことがあります。

これらの服用でお口が渇きやすくなると、
だ液によるお口の洗浄作用や、
歯の修復作用が弱くなり、
その結果としてむし歯や歯周病、
口臭のリスクが高まってしまいます。

◆歯が少ないと高血圧に？
　お口の健康と血圧の関係

最近の研究では、
歯の本数が少ない、あるいは噛む力が弱い人は
高血圧になりやすくなることも明らかになっています。

あるデータでは、
奥歯で噛めない人は高血圧のリスクが約1.7倍も
高くなることが示されています。

ではなぜ、噛めなくなると
高血圧のリスクが高くなるのでしょうか？
その理由は、主に以下の2点が考えられます。

・「食べものの選り好み」

噛む力が弱くなると
多くの人は繊維質の多い果物や
緑黄色野菜を避けがちになります。
しかし、これらの食品には
血圧の安定に必要なカリウムが豊富に含まれており、
不足すると血圧の上昇を招いてしまいます。

・脳への刺激不足

噛むことで脳に送られる刺激は、
血圧を下げるホルモンの分泌を促します。

噛む回数が減少すると、この刺激が不足し、
血圧が上がりやすくなります。

このような現象は
とくに高齢者に多くみられます。
将来的な病気のリスクを減らすためにも、
若いうちからお口の健康を保つことが重要といえるでしょう。

◆高血圧の予防・管理のカギは
　歯科での定期検診

以上のことからもわかるように、
健康的な毎日を送るうえでは
食生活や生活習慣の改善に加え、
お口の健康維持も重要な役割があります。

特に歯科での定期検診は
高血圧の予防・管理において、
以下の2つの効果があります。

１．高血圧の薬の副作用によるお口トラブルを防ぐ
：定期検診でお口の状態をチェックすることで、
降圧剤の副作用による歯ぐきの腫れや
口腔乾燥を早期に発見し、
適切な処置を受けることができます。

２．お口の健康を保ち、歯を多く残すことで高血圧を予防する
：定期検診で虫歯や歯周病などの病気を早期に発見・治療し、
お口の健康を保つことで、
高血圧のリスクを下げることができます。

自宅での正しい歯みがきや
食生活の改善に加え、
歯科での専門的なチェックも含めた
全身の健康を守る習慣づくりを
心がけましょう！

まとめ
高血圧と歯科は密接な関係にあります。
高血圧の薬の副作用でお口のトラブルが起こったり、
歯が少ないことで高血圧のリスクが高まったりすることがわかっています。

健康的な毎日を送るために、
歯科での定期検診を受け、お口の健康を維持することが大切です。

この記事が、皆様の高血圧予防と
健康維持に少しでもお役に立てば幸いです。
ご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。

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